July 25, 2007

マーティン 呪われた吸血少年 - Martin (1977)

martinposterdvd■忘れられない映画 その7

邦題:マーティン

監督:ジョージ・A・ロメロ

出演:ジョン・アンプラス、リンカーン・マーゼル 他

吸血鬼をより現実的な視点で描いた異色作です。監督デビュー作である「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」で既に独自のスタイルと方向性を確立し、ホラー映画界で金字塔を打ち立てたジョージ・A・ロメロが1977年に発表した作品。



【ストーリー】
青年マーティン(見た目20代)は一人ニューヨーク行きの列車に乗り込む。若い女性を物色し狙いを定めると、夜には寝台車へもぐりこみ、その女性の部屋へ押し入る。彼は手馴れた動きで女性に睡眠薬を注射し、眠った女性とセックスした後、用意してきたかみそりで女性の手首を切り裂き、その血を飲むのだ。彼が降り立ったのは、ピッツバーグ駅で、そこにはクーダという老人が迎えに来ている。クーダはマーティンの遠い親類で、彼の血筋にまつわる吸血一族の存在を信じており、マーティンはその血を引く84歳の吸血鬼であると言う。二人はブラドックという街にあるクーダの家に着くと、クーダはマーティンにこの街で何か問題を起こしたら、心臓に杭を打ち込んで殺すとマーティンを脅す。同居しているクーダの孫娘クリスティンはクーダの言葉など信じておらず、保守的で厳格すぎるクーダに反感を覚えている。クリスティンはマーティンをごく普通の青年として扱い、マーティンはクリスティンに信頼と恋心にも近い感情を覚える。しかし、クリスティンには婚約者がおり、彼女にとってマーティンは身寄りの無い可哀想な親類であり、クーダに対する反感を分かち合う仲間でしかなかった。

martin1マーティンはクーダに自分は吸血鬼などではなく、単に肉体的に年をとらない病気のようなものであると主張するが、クーダは聞く耳などもたない。マーティンは過去から現在までに、やはりクーダから受けたような仕打ち(邪悪な吸血鬼として扱われる)を受け、愛する女性を愛したくても普通に愛すことが出来ない自分に苦しむという一面も持っている。

吸血鬼ではないと主張しながらも、血を飲みたいという衝動は抑えられず、クーダの目を盗んで街はずれまで出向き、欲望を満たすマーティン。ある日、お遣いで訪問した一人暮らしの寂しい中年女性アビーから優しくされるうちに、寂しさからマーティンを求める彼女の欲求に応じた彼は、初めて血を飲まずに行うセックスを経験する。アビーは子供が生めない身体になったことで、夫から見放されたとマーティンに打ち明ける。martin2

ある日クリスティンが自分の部屋に電話をひくついでに、マーティンの部屋にも電話線を引き込む提案をし、彼の部屋にも電話をひくことになる。そこで彼はラジオのパーソナリティに電話をかけ、自分が吸血鬼であることを打ち明けると、ラジオパーソナリティはそれを面白く放送し、彼の話は一躍番組で人気となる。マーティン自身も、まんざらでもなく、吸血鬼といっても自分は普通の人間となんら変わらないということを話す。

マーティンはアビーと普通のセックスをするようになってから、以前のように血を飲みたいという欲求が無くなったことに気づく。ところが、そんなある日、マーティンがアビーの家を訪ねると、そこにはバスタブで手首を切って死んでいるアビーの姿が・・・。


この作品では、マーティンが吸血鬼なのかはっきりとは明かされていない。彼が見る悪夢(過去に経験したことのように思われる)も、実際に経験したことなのか、単に夢なのかもわからない。実際、人間とは不思議なもので、この世にはヘマトフェリア(血液嗜好症)という病気(?)が実在しており、それは人の血液を飲まないといられないというものだ。つまり、このマーティンはもしかしたら、そのヘマトフェリアという病気であり、それを宗教的な偏見から悪魔や吸血鬼と言われ、虐待されてきた青年とも言えるのである。もちろん、そうは言っても、人を殺してしまうわけだから、悪魔と言われても仕方ないんだけどね・・・。以前にも言ったが・・・やっぱ70年代の映画に出てくるヌードは艶かしい。それに、この映画でのセックスシーンはかなり際どいと言ってもいい。

70年代の映画で、しかも低予算映画だろうし、この時代ならではの雑な感じもご愛嬌で楽しめます。(最初に列車で襲う女性の間違い探しは、誰でも気づくほどのものです。)そして、この結末・・・・。あまりにぶっつりなんで、収拾がつかなくなって、“ぶち”っと終わらせてしまったのか・・・それとも、このぶっつりな感じが、ロメロ氏によって意図されたものなのか・・・わかりません。確かに、このぶっつりと終わってしまう結末が、物悲しいとも言えなくもないのです。


ジョージ・A・ロメロにしても、サム・ライミにしても、スプラッタを撮る監督の共通点なんだろうか・・・人間ドラマ的な作品を結構上手く撮りますよね。この作品もホラーとは言い難い、人間ドラマ的要素が強い作品と言えます。好きか嫌いかがはっきり別れそうな作品でもありますね。因みに、私はこの作品がかなり好きです。わたしの中では、忘れられない映画の上位に入ります。

残念ながら、この作品でも特殊効果を担当したトム・サビーニが出演していたようですが、どの人なのか確認出来ていません。改めて見て確認したいと思っています。

ロメロのファンなら絶対に見て欲しい一本です。 
 
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2008年11月公開予定 ロメロ監督のダイアリー・オブ・ザ・デッドを読む





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この記事へのコメント

1. Posted by 小太郎   December 18, 2007 20:32
スティーブン・キング原作でロメロが監督なのに私は見てないんです。な、なんでやねん。
トム・サビーニの顔を知らないんですか。見ない方がいいですよ。あれ、もしかしたらトビー・フーパーだったかも。何か汚い感じのおっさんでした。
マーティ古い作品なのでもし仮にどこかで見つけたとしても借りるか買うかどうかは分かりません。でも管理人さんが人間ドラマ的要素があると言うことなのでそこは見たい気もしますね。チープさも好きですから。ヘマトフェリアって覚えました。ちなみにアラクノフォビアって映画知ってますか。見てないのにコメント入れて御免なさい。
2. Posted by 管理人   December 19, 2007 07:44
小太郎さん、
私としたことが…キング原作とは気付いておりませんでした…m(_ _)mどーりでおのひにくっぽい救われなさ…納得です!今さら…。しかし…冒頭の寝台車のねーさんは最初おもいっきり顔に白いパック塗りたくってるのに、数分後には幻だったかの様にパックなしでした…。
3. Posted by 管理人   December 19, 2007 07:48
あ…小太郎さん
アラクノフォビアですか …知ってます。あまり面白くなかった印象が脳みそのすみっこにあります。そんじゃ(=_=)
4. Posted by つよし   January 02, 2008 08:40
アラクノフォビアは確かに面白くないクソ映画でしたよ。それとスポンティニアス・コンバッション(人体発火)と言う映画もつまらなかったですね。知ってますか。まぁそう言うつまらない映画も数々見続けて現在に至っています。そしてトレイマーズ。これは超面白かったなぁ。私はケビン・ベーコンが何故か気に入ってまして。ユアン・マクレガーも結構見ますね。(ナイトウオッチ大好き)
この手の映画で私が見た中で一番は今のところゲインと言う映画です。もちろんこれはエド・ゲインの話でしてその狂気がたまらないエクスタシーを感じたりして。一見善良そうなのにその裏に隠された狂気とは。母親の影響は大きいですぞぉ。
5. Posted by 管理人   January 07, 2008 14:12
つよしさん

スポンテニアス・コンバッションは私もよく覚えています。嫌いじゃないですけど・・確か、トビー・フーパー監督作だったようなきがします。これもお話し自体は結構衝撃的で、なにげに忘れられない一本かもしれません。でも、詳細忘れちゃってるんですよねぇ・・・。ゲインは気になっていて、まだ見てない一本かな・・・いずれ見て見ますねぇ。