September 30, 2007

遊星からの物体 X - The Thing (1982)

the thing poster■忘れられない映画 その32

□邦題:遊星からの物体X

□監督:ジョン・カーペンター

□出演:カート・ラッセル、A・ウィルフォード・ブリムリー 、ドナルド・モファット






さて、先日ジョン・カーペンター(監督)とダン・オバノン(脚本/出演)の「ダーク・スター」を紹介して、この有名すぎる作品を取り上げる決心をしました。これについて書いているファンは多いので、あまり多くは語りません。でも、いつもくどいけど・・・。


【ストーリー】
暗い宇宙空間に一体のUFOが炎上しながら青い地球の大気圏へと消えてゆく。“The Thing” のクレジットが青く閃光を放ちながら浮かび上がる。

the thing 1
















真っ白な雪の大地にそびえる岸壁の向こうから現れる機体にNORGE(ノルウェー)の文字のあるヘリコプター。次第に高度を下げながら飛行している。白い大地を走る犬。立ち止まり、後を振り返り、ヘリを見つけると再び走り出す。ゴーグルと防寒具で身を包み、ヘリコプターから身を乗り出す男は銃をかまえている。さらに高度を下げ、低空で追うのは、逃げる犬。男は狙いを定め、犬に向けて何度も発砲する。犬はヘリをかわしながら逃げ続ける。

the thing 2












アメリカの南極観測対の基地では、隊員たちがリクリエーションに興じている。マクレディは監視塔で、コンピュータとチェスを楽しんでいるが、勝てず飲んでいたウィスキーを氷ごとコンピュータのドライブに浴びせ、コンピュータは火を噴いて壊れる。

ヘリでは、さっきまで銃を撃っていた男が、今度は手榴弾を取り出すと、躊躇無く安全ピンを抜き、犬を目掛けて投下するが、犬はまだ逃げている。米観測隊の敷地内に逃げ込んだ犬を見て、基地の近くに着陸するヘリ。米観測隊の隊員たちは、爆音を聞きつけほぼ全員が建物の外に出てきている。隊員の一人に駆け寄り、必死に体をあずけ助けを求めるようなしぐさをする犬。状況がわからないまま立ち尽くす隊員たち。ヘリからは2人のノルウェー人が降り、一人は銃をかまえ、一人は再び手榴弾のピンを抜き、それを投げようと腕を振り上げた瞬間、手榴弾は手からすべり雪の中へと落ちる。必死に雪を書き分け探す男、その様子を見て、その場から離れようとする銃をかまえた男。爆音が響き、ヘリも炎上する。それにもかまわず、銃をかまえた男は必死になにやらノルウェー語で叫んでいるが、言葉が通じないとわかると、さらに犬に向けて発砲する。銃弾は隊員の足に当たり、犬は逃げる。その様子を建物の中から見ていた観測隊隊長ギャリーはとっさに銃で窓を割り、ノルウェー人を狙撃。弾はゴーグルを突き破り、ノルウェー人は即死する。犬の世話係であるクラークが犬を見つけ、保護する。

the thing 3


















その後、事態を知らせるために本国との通信を試みるが、2週間前から通信は途絶えたまま。仕方なく、悪天候の中ヘリを操縦するマクレディと医師クーパーがノルウェー隊の基地へ偵察に行くこととなる。

2名を失い、8人がいるはずの、ノルウェー隊の基地には人影もなく、建物の中は荒れ果て凍り付いている。そこには、両手首と喉を自分で切り裂き自殺した隊員の姿があるだけで、他は誰も発見されない。マクレディとクーパーが留守の間、隊員たちは落ち着きを取り戻し、いつものように時間を過ごす。犬は建物の中を様子を伺うように、あちこちと歩き回っている。 ノルウェー隊の基地で、マクレディとクーパーは大量のビデオを含めた資料を発見する。それと共に、巨大な切り出した氷の塊を見つけ、その塊から何かを取り出したと推測する。基地の建物の裏へ回ると、そこにはガソリンを使用して人間らしきものを焼いた形跡が残っている。焼き残った死体を見ると、それは奇妙に変形し、人間なのか化け物なのかわからない。南極に基地を設置してさほど経過していないはずのノルウェー隊たちにいったい何が起こったのか?2人はビデオや資料と一緒にその不気味な死体を自分達の基地に持ち帰ることにする。 彼らが既にノウルェー隊と同じ運命を背負っているとも知らずに・・・。


この映画ほど、ネタばれ無しで見て欲しいものはありません。このオープニングのエピソードから、もう既に、見ている方は完全に引き込まれ、その不気味さに胸をわくわく・・・はらはら・・・どきどきさせらているんです。これから何か恐ろしいことが起こるに違いない。。。そんな予感と期待を最初からがっつり植えつけられ、それを最後まで維持できる映画って他にありますか?この映画を見てがっかりしたなんてほざくホラー好きが居たら、はっきり言って、わたしはその人をその場で嫌いになりますね。おの面白さが分からない人とは付き合えません。

the thing 4





























物語はジョン・W・キャンベルJr.の原作「影が行く」です。他の生物の細胞吸収し同化する宇宙生物が基地に入り込んだことで、隊員たちがつぎつぎと同化され、いったい誰が本物で誰が偽者なのか分からないまま、その謎の生物と戦うというものです。 この映画については、忘れられないシーンは沢山ありますが、わたしがと〜っても感心したのは犬です。この犬がまた、本当に演じているように見えます。そいう表情を上手く繋いでいる部分もあるでしょうが、ひとたび基地の中に入り込んで、周囲の様子をうかがう姿やじっと体を硬くしている姿は、明らかにこいつはただの犬ではない・・・とわかります。基地の中で、こいつはまったく尻尾を振りません。ちょっとくらい振っちゃいそうなもんですが・・・。最初の見せ場となる犬舎でも、この犬の体を緊張させた感じが見ているこちらにも緊張感を与え、その後に起こる変身に生きてきます。そして、もう一つ印象深いのは、マクレディが皆に疑われ、迫害されそうになった後、全員を縛り上げて、採取した血液に焼けた銅線を当て、誰が偽者かを確認するシーンですが、それぞれが、自分自身にすら自信が持てなくなっていることが、とても面白かった。自分の血液がテストされる瞬間の表情がなんともまた、緊張感を与えていて怖かったぁ・・・。

むさ苦しい男ばかりの生活観ただよう基地の様子は、以前にご紹介したジョン・カーペンターの長編初監督作「ダーク・スター」そのままな感じですね。きゃ〜きゃ〜と女の悲鳴が聞こえる怖さより、物事を冷静に考える男達の中に広がる恐怖が、その恐怖によりいっそう説得力を与えていて、現実味すら感じます。

まだ、この映画を見ていない人は、是非見てください。今見ても、まったく古さなんて感じません。特撮や特殊メイクも最高です。昨今のCG技術には負けますが、多少ちゃっちぃ怪物も、撮り方ひとつ、編集一つでいかに“見せる”ことが出来るかを思い知ることが出来る映画です。リメイクなんて、必要ありません。

この映画は有名ですから、ちょっと掲載する画像も他と異なる感じにしてみました。わん。


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この記事へのコメント

1. Posted by 小太郎   December 10, 2007 21:02
ぶっちゃけここまで凄い映画だったとは思いもよりませんでした。カーペンターお前やるジャンと思っちゃいました。ゲロゲロの映像に酔いしれました。
お前か嫌、お前がと言う疑いの中で必死で生きようとする人間の姿。しかしそれはまるでナイトオブザリビングデッドみたいに救いのない終わりを迎えるのです。そうですか。今見ても古くさくないんですね。
もう一度見るって言われたらちょっと引いてしまいそうな映画なんですが。でも怖いもの見たさで・・・。
またあの悪夢の中にのめり込んでいく自分がいたりして。それは墜ちていく自分を遠くから見るようなとんでもない恐怖かも。トラウマじゃぁ。
2. Posted by 管理人   December 11, 2007 19:29
小太郎さん

この映画の魅力は男くささですね。小太郎さん結構怖がりさんじゃぁないですか?
でも、これは確かにかなり怖い方の映画ですよね。心臓ばくばく・・・。
3. Posted by 小太郎   December 16, 2007 04:29
単細胞と言ってください。管理人さんのように冷めて映画を見れないのかも知れません。私は理屈で映画を見る人ではなくて直感で見る人なもので。だから理論を言われるとちょっと弱くって。きっと管理人さんは理解できないんだろうな。確かに恐がりはそうなのかも知れませんね。それは幼少の頃の肝試しと兄弟から布団をかぶせられて苦しみのあまり閉所恐怖症になってしまった事が要因のような。まぁどっちにしても怖い物は大好きです。恐がりのくせして怖いのが好きって変なのかなぁ。待てよ、だからお化け屋敷が存在している。
4. Posted by 管理人   December 18, 2007 08:06
小太郎さん
とても興奮気味なコメント3つありがとう。o(^o^)oこの作品はわたしも色々と思いで深い一本!そして何度見てもおーもーしーろーい!カーペンターの作品もかなり見てますがこれがやっぱベストかな…。マスターズオブホラーの世界の終わりもわたしの中ではかなりのお気に入りですが他の全ホラー系映画の中でも輝いています!私だって怖いですよ!小太郎さん!見直して書いてるから冷静なんですわい。
5. Posted by 小太郎   December 23, 2007 07:21
見直す勇気(土下座して)感服しました。
でも3回ほど観ている小太郎は免疫があるので大丈夫だと思います。怖いけど好きって不思議な感覚ですよね。快感に近いものがありますよね。何の快感やねん(あっいやなんとも)