October 27, 2007
ヘルハウス - The Legend Of Hell House (1973)
■忘れられない映画 その36□邦題:ヘルハウス
□監督:ジョン・ハフ
□出演:ロディ・マクドウォール、パメラ・フランクリン、ゲイル・ハニカット
ホラー映画の中で私にとっては後にも先にもこれが一番と思うのがこの「ヘルハウス」。リチャード・マシスンの原作と映画どちらも傑作。
【ストーリー】
ある日物理学者バレット博士はとある大富豪に呼び出される。車椅子に乗ったいかにも偏屈なその老人は、死を間近にして霊魂が存在するのかを知りたいという。そこで幽霊屋敷の最高峰をも言われる「ヘルハウス」(ベラスコ邸)を調査せよというのだ。彼は既に必要と思われるメンバーと契約を取り付けており、そのメンバーはバレット博士の他にフローレンス・ターナーという若い心理霊媒師とフィッシャーという物質霊媒師でフィッシャーは数年前に行われたこの「ヘルハウス」での調査メンバーで唯一生き残った人物だった。物理学者として霊魂の存在など信じていないバレット博士は、頭ごなしにその調査に否定的だが、10万ポンドという大金をちらつかされNOとは言えない。バレット博士はEMRという装置を製作していおり、与えられた調査期間である1週間のうちにその装置を完成させ、屋敷に持ち込むことを条件にその調査行うこととなる。
電力から食事に至るまで生活に必要なものは全て整えられ、迎えの来る1週間後までは外界から遮断されたような環境での調査となるのだ。
バレット博士は妻を従え自分の車でフローレンスとフィッシャーをそれぞれの待ち合わせ場所で拾い、遂に一行はヘルハウスへ到着する。

巨大な鉄の門の奥に不気味にそびえ立つ屋敷には外から見えないようにかそれとも中から外を見せないためにか、窓は封印されている。重い屋敷のドアを開けると、閉じ込められていたかび臭い空気が一行を襲う。中でもフローレンスは直ぐさま屋敷の空気を感じ、身震いをするのだった。
一行は屋敷の中に足を踏み入れる。まずはジェネレーターを稼動させるために、内部を知るフィッシャーの案内で、屋敷内を移動する。すぐに彼らは地獄の家と呼ばれる屋敷の中に存在する礼拝堂を発見する。ドアの近くまでいったところで、フローレンスは酷く震え上がり、苦痛の表情で自分は中には入れないと言う。フローレンスは心理霊媒で、しかも無防備なため、全て感じてしまうのだ。一方フィッシャーは、自分を守る術を知っているので、冷静で、その屋敷のどんな影響も受けないよう心を閉ざしている。フローレンスをを残し3人は礼拝堂へ入って行く。3人が礼拝堂から出てくるとフローレンスは居間で声を聞いたと言い、彼等にレコードを聞かせる。それは勝手に鳴りだしたと言うのだ。レコードから聞こえるのはベラスコ本人と思われる声で不気味にも彼等の来訪を予知していたかのような歓迎の挨拶だった。
夕食を囲む4人は、まずフィッシャーからその屋敷に纏わる話を聞く。吠える巨人と呼ばれたベラスコはその屋敷で、酒・暴力・乱交・薬物の乱用・吸血・食人・死姦・・・あらゆる邪悪な行為を行い。ある日親類がその屋敷を訪れた時には20体以上の死体があり、その中にベラスコの死体は無く、彼が死んだのかも定かではないと言うのだ。食事の後、フローレンスの申し出により彼女の降霊が行われた。

彼女は降霊の間、意味の分からない言葉を並べる。「極限と末端・・・限界と終局・・・気に入らぬものは・・・」そう言うと、誰も座っていない椅子に向かって、「若い男が座っている・・・きっと彼だわ・・・お話しなさい。」語りかける。すると彼女の表情は変わり、男のような声で「おまえらは何物だ・・・。どうせ何も変えることなど出来ないのだ。ここを出てゆくけ。さもないとお前らを殺す。殺したくはないが、殺さざるを得ないのだ。殺される前に出てゆくのだ!」と叫ぶのだった。すると、テーブルの上の物がガタガタと音をたて動き出し、静まると、何事も無かったかのように彼女は目を開ける。(上の写真はその後の降霊の時のものです。)
心理霊媒である彼女が降霊で物体を動かすことは稀で、彼女はバレット博士から物が動いたと聞かされ、不思議に思うのだった。
霊魂には懐疑的なバレット博士、その屋敷の恐ろしさを知っているために決して自分の心霊能力を使おうとしないフィッシャー、夫を信じながらもその屋敷の力に翻弄される妻アン、そしてまだ若く自分の能力を精一杯発揮しようと屋敷に心を開いているフローレンス。

やがて、彼らは自分達も気づかぬうちにその屋敷の力に操られてゆくのだった。
映画の中で幽霊屋敷の最高峰と言われる「ベラスコ邸」。この作品は幽霊映画の最高峰と言っても過言ではないと思っています。この作品をリメイクする声はあっても、リメイクする監督や関係者のプレッシャーはすごく多きいと思います。本作を観れば、その理由がわかります。なぜって、この作品で、幽霊はその姿をまったく現さないのです。そして、超常現象についても、信じられないような過激な現象でなく、わたしたちが昔から心霊写真やTVなどで見ている程度の「あるかもしれない」程度の現象なのです。だから怖い。
昔から人々が恐れてきたのは、暗い闇の中で目に見えない何かではないでしょうか?その見えない何か巨大な力に操られ、精神を病んでゆく・・・こんな怖いことはないです。恐ろしい姿の怪物に頭かじられるのももちろん怖いのですがね・・・。
じわじわと迫る恐怖を表現するのに、俳優の演技は必須です。彼らの表情をアップにすることで、そこにある恐怖を見えないわたしたちに見ているような感覚を与えてくれる。想像力をかき立てられる手法です。そうそう・・・。怖い話をしている時に、話を聞いている一人が、部屋の隅をじっと凝視している姿を見たら、怖いですよね。。。そんな感じです。
何月何日何時何分と文字で表し、刻々とそこで起こることを見せて行くことで、話がだれてしまうこともありませんし、余計な状況もカット出来ます。これによりテンポも一定して、淡々とした雰囲気も恐怖を積み重ねてゆくのに役立っているようです。
もちろん、映画の出来の良し悪し以前にリチャード・マシスンの原作あっての面白さとも言えます。映画を見るか?原作を読むか?この作品に関しては、どちらも満足出来ると答えることが出来ます。原作を読んでから、映画を見て楽しめるのはもちろんですが、その後でもう一度原作を読んでも今度はまたさらに楽しめるのです。
霊能力と科学の力を駆使して邪悪な幽霊と戦うという面白さに、その屋敷に纏わる暴力・セックス・カニバリズムなどの匂いを漂わせ、おまけに若き霊媒師フローレンスはその屋敷の霊を慰めるために霊に身体を捧げてしまうという・・・なんともエロティックなシーンもあります。

この作品以降、沢山のホラー映画を見てきました。特撮やCGが当たり前の現代の作品で好きな物も沢山あります。しかし・・・この作品を超えるものはわたしの中ではまだありません。
パメラ・フランクリンは先に紹介しているヘンリー・ジェイムズの小説の映画化「回転」(1961)で子役としてデビュー。大人になってから出演した映画ではあまり印象に残っているものが日本では公開されていないようですね。フローレンスの役はインパクトが強すぎたかもしれません。
フィッシャー役のロディ・マクドウォールは本作前にも後にも個性派として多くの作品に出演していますが、やっぱ本作での役は本当に印象的です。まったくいい男ではないんですが、なんでかすごく魅力的に見える。彼はオリジナルの「猿の惑星」でシリーズを通してコーネリアスという猿の役を演じたことでも有名ですが、残念ながら1998年に癌で他界しています。

バレット博士の妻アンを演じたゲイル・ハニカットは元モデルだけあって美人です。
バレット博士役のクライブ・レビルは77歳にして現役です。「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」にだって、声だけ出演したりしてたようです。最近は声での出演作が増えてますね。
名作中の名作です!
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この記事へのコメント
1. Posted by 小太郎 December 01, 2007 09:08
へ ヘルハウスとはこれも懐かしい映画ですね。
すごく昔に見ましたよ。オーメンとかと同じ時代位ではないですか。DVDなんてあるんですかね。
ベラスコ邸でしたっけ。古いからあまり覚えていませんが。これはひれ伏す位怖かった思い出があります。
ロディ・マクダウェル。あれ発音違いましたっけ。
出てたのは知ってますね。こんなすごいブログがあるとは知りませんでした。またお邪魔します。
すごく昔に見ましたよ。オーメンとかと同じ時代位ではないですか。DVDなんてあるんですかね。
ベラスコ邸でしたっけ。古いからあまり覚えていませんが。これはひれ伏す位怖かった思い出があります。
ロディ・マクダウェル。あれ発音違いましたっけ。
出てたのは知ってますね。こんなすごいブログがあるとは知りませんでした。またお邪魔します。
2. Posted by 管理人 December 02, 2007 17:59
小太郎様、
オーメンも面白いですよね。
これから書くリストに入っているんですが、ここのところ少し仕事に追われて・・・
地道に書いてゆきますんで、これからも応援してくださいね。
オーメンも面白いですよね。
これから書くリストに入っているんですが、ここのところ少し仕事に追われて・・・
地道に書いてゆきますんで、これからも応援してくださいね。




