June 08, 2008

悪魔のシスター −Sisters (1973)

Sisters_(1973)■忘れられない映画 その38

□邦題:悪魔のシスター

□監督:ブライアン・デ・パルマ

□出演:マーゴット・キダー、ジェニファー・ソルト

本年2月に日本でも公開されたダグラス・バック監督の「シスターズ」はこのデ・パルマの映画を原案としています。デ・パルマの初期の作品。何よりも忘れられないのはマーゴット・キダーの顔・・・まだあどけなさの残る少女のような顔が一瞬にして歪み、狂気の表情に変わります・・・こわ〜い!!


【ストーリー】

黒人の若い男が着替えるジムの更衣室。そこへサングラスをかけ、杖を片手に盲目の美女が現れる。彼女は男の存在に気付かず服を脱ぎ始める。さてさて、これはTVのクイズ番組のワンシーン。画面はそこでストップし、クイズショーの司会者が、回答者たちに投げかける問題は、この後黒人の若者がどうするか。「黙っている」「見ている」「立ち去る」。答えはビデオで黒人の若者が音を立てずに立ち去る姿を写す。回答者は全員はずれ。司会者はこのビデオに出演していた2人を紹介する。盲目の美女を演じたのはモデルで女優の卵のダニエル。そして黒人の若者フィリップは広告の仕事をする一般人だ。出演者には番組からプレゼントが贈られる。

Sisters Original1






ダニエルには豪華なキッチン用ナイフのフルセットが、そしてフィリップにはアフリカンルームというパブのペア招待状。ダニエルとフィリップは初対面だったが、ダニエルは番組の後親しげにフィリップに近づき、危なげなフランス語訛りの英語でフィリップに食事をねだる。2人が楽しげにアフリカンルームで食事をしているところへ、一人の男が現れダニエルに「帰ろう」と声をかける。ダニエルの話だとその男エミールは1年前に分かれた元夫で、彼女に付きまとっているとう。興奮したダニエルを見て、フィリップは店員を呼びなんとかエミールを追い出し、フェリーに乗ってダニエルの家へと向った。ダニエルはフィリップに甘え、フィリップもまんざらではない様子。家に着くと、酔ったダニエルは服を脱ぎ散らかし、フィリップはそんな無防備で明け透けな彼女を可愛いと思うのだった。窓のカーテンを下ろそうと窓の外を見るフィリップ、向かいのマンションの窓から女の姿が見える。ふと下を見るとエミールがいるではないか。後をつけてきたのだ。フィリップはダニエルに自分が一度外に出て、エミールには自分が帰ったように見せかけようと提案する。エミールをマションから引き離し、戻ってきたフィリップをダニエルはソファの上で迎える。ガウンの胸をはだけて、フィリップを誘い、彼女のガウンから肢体が露になると、わき腹には大きく醜い傷があるのが見える。フィリップはその傷には気付かない。


朝、ベッドで目覚めるダニエルは苦痛のうめき声を上げる、いつもの頭痛の発作がおきたのだ。眠るフィリップを残し、ベッドを抜け出すダニエルは洗面所に向かい赤い薬を手に取る。4錠残っているうちの2錠を飲み、残りを洗面台のくぼみにおいて置く。腰掛けてようやく少し落ち着きを取り戻しすと、隣の部屋から彼女を呼ぶ声がする。顔をしかめながら、その部屋へ向うダニエル。部屋からは言い争う声。ドミニクとダニエルは双子の姉妹で、ドミニクは夕べの彼女の行動を嫉妬しているのだ。その声に目覚めたフィリップは起き上がり洗面所へ行くと着替えを始める。ダニエルが置いておいた赤い錠剤に気付かず、シャツを着る時にその袖が錠剤をはらい落としてしまう。ダニエルが現れ、その日が妹のドミニクと自分の誕生日だが、ドミニクはずっと入院している病院へ戻らなければならないので、そのことも彼女が苛立っている理由だと言う。そして、薬が残り少ないので、薬局で買ってきて欲しいと頼む。フィリップは快く買い物を引き受け、出かけてゆく。フィリップが出かけると、ダニエルは残りの錠剤を飲もうと探すが置いた場所には無い。フィリップは薬局での薬を買い、その帰り道にケーキ屋を見つけると、誕生日のダニエルにケーキを買ってゆこうと思い立つ。ケーキ屋でケーキに文字を書いて欲しいと頼むが、まだ職人が来ていないと言われ、なんとか店員に書いて欲しいと頼む。文字は「誕生日おめでとう、ドミニクとダニエル」だ。

Sisters Original2






慣れない作業に時間のかかる店員にそっと手を貸すフィリップ。帰りの遅いフィリップ。ダニエルは電話で誰かに「薬がもうないので、早く持ってきて欲しい」と苦痛に耐えながら話している。彼女はいよいよ苦しみだし、倒れ身体をよじって苦しんでいる。ケーキに文字を書いてもらい、ようやくフィリップが部屋へ戻ってくる。ベッドでぐったりとうつぶせで寝ているダニエル。フィリップはすぐにキッチンへ向い、ケーキにの蝋燭に火を燈すと、ダニエルが賞品としてもらった大きな包丁をケーキの下に挟み込み、眠っているダニエルのところへ持ってゆく。ダニエルの顔の側にケーキを差し出し目覚めた彼女に、「どう?驚いた」と言うとダニエルは顔を上げ包丁を手に取る。ケーキをベッドに置こうとするフィリップ。突然包丁で切りつけられフィリップが声を上げると、身体を起こしたダニエルが闇雲に包丁を突き刺し、彼の口を大きく切り裂く。ダニエルは目はうつろで歪んだ顔はまるで別人のようだ。投げ捨てられた包丁に向って息も絶え絶えに這っているフィリップ気付くと、ダニエルは再び包丁を手にしてフィリップの背中に何度も包丁を突き立て、別の部屋へ逃げてゆく。瀕死のフィリップは最後の力で昨夜女性の姿を見た窓まで這って行くと、その窓に自分の血で「助けて」と書き息絶えるのだった。

Sisters Original3















ブライアン・デ・パルマの生み出した画面2分割で複数の場所で起こっていることを映し出す手法は既に使われていて、フィリップが殺された後、向かいのマンションで一部始

終を見ていた女性記者グレースが警察を呼んで、彼女が過去に書いた警察を批判する記事のためか、なかなかダニエルの部屋へ行こうとしない刑事とやりとりしている間に、部屋に現れたエミールによって、殺害現場の証拠がどんどん消されてゆくのをスリリングに映し出します。

Sisters Original4






今見ても、怖いです。何がってマーゴット・キダーです。彼女は後にクリストファー・リーブの「スーパーマン」シリーズでヒロインのロイス・レーン役で有名になりますが、この映画の中では真っ白な肌に紅潮した頬、まだあどけなさの残る少年のような顔立ちが、どんよりとくぼんだ目に不気味に歪んだ口元に一変するんですが・・・・あの顔は一生忘れないくらいの勢いで記憶に残っています。フィリップが殺されてからは、女性記者グレースが自分の見た殺人を証明しようと探るうちに、ダニエルとドミニクがシャム双生児として生まれ、世界的に話題になった分離手術を受けた人物であることが判明して行くのだが、このシャム双生児という言葉の響きがまた、なんとも不気味な響きで、ただの多重人格ものとは一線を画した映画になってる気がします。

Sisters Original5















本年2月に東京ではシアターN渋谷(元ユーロスペース)の単館上映で公開された「シスターズ」はどうだったかというと、これは余計な解釈を加えたことが失敗だったのか?デ・パルマ版を見ていても見ていなくてもどこか中途半端で????な感じでした。この作品の一番の見せ場であるフィリップの殺害とその後始末くらいまではデ・パルマ版よりも昨今の技術とか残忍性の高い映像やセックスシーンでかなり引き込まれる作りになっていたのに・・・必要以上ににダニエルと女性記者グレースを精神面で関連付けようとした結果、デ・パルマ版とはまた異なる解釈の結末になっています。

Sisters Remade












これがはっきりと異なると言い切れないのがまた、もやもやして嫌なところなんですが、デ・パルマ版で匂わせた部分をすんごく引き出して新解釈の基に作ったというのが正しいのかもしれません。

見終わって、残念・・・・としか思えない映画でした。


あまりに更新しないので、忘れ去られそうなブログですが、まだまだ読みにきてくれる人は結構いらっしゃるようで、ありがたい限りです。一応生きていますので、宜しくお願いします。

最近は映画館にはなんとか時々足を運んでいるものの、最新の未公開映画まで家で見る時間が取れず・・・紹介出来ないし情報薄になってしまいました。それでも見捨てないでね。




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