July 02, 2008

ストレンジ・デイズ − Strange Days (1995)

strange days poster■忘れられない映画 その40

□邦題:ストレンジ・デイズ

□監督:キャサリン・ビグロー

□出演:レイフ・ファインズ、ジュリエット・ルイス

美人女流監督キャサリン・ビグローがジェイムズ・キャメロンの製作総指揮と脚本を得て撮った作品です。このブログで取り上げている「ブルー・スチール」も大好きですが、この作品も大好き!


【ストーリー】

狭いヴァンの社内にひしめくストッキングで覆面した数人の男達。画面はその中の一人の視界を写しているように見える。これからまさにレストランに強盗に入ろうと興奮気味に騒いでいる。車から降りレストランの裏口から突入し銃を振りかざし人々を脅しながら厨房を抜け一気にフロアへ押し入ると店の男を脅してレジの金をいただく。客と従業員を一つの部屋へ押し込めたところで、早くもパトカーのサイレンが聞こえる。慌ててわめきながら建物の屋上へと逃げる強盗集団。一人が勢いをつけて隣りのビルへとジャンプし、もう一人が急かされて後に続くが失敗落下した途端にノイズとともにテレビのスイッチを切ったように画像が消滅する。

「くそっ!言っただろう!こういうのは嫌いなんだ!」飛び上がり文句を言っているのはレニーと言う男で、彼は人の体験を記録し特殊な装置でそれをあたかも自分が体験してるかのように見ることが出来るディスクのディーラーをしているのだ。彼が見ていたのは強盗し逃げ損ねて死んだ男の体験ディスク。売人の男は、記録した時に血まみれになった装置の修復代が欲しいなど言い、なんとかそのディスクを買ってもらおうと必死だ。レニーは文句を言いながらも値切り500ドルで買うことにする。

1999年12月30日。21世紀を目前として、世界中が世紀末の混乱と新世紀への期待の中にいた。ロサンジェルスは犯罪と暴力で溢れ、まともな人間は車なしては街を移動出来ないほどだ。

Strange Days 1a












レニーは夜の街を車で移動し、ディスクの闇取引に勤しむ。スクィッド(SQUID)というその体験記録装置は、もともと軍が開発した機能を利用したもので、体験者の頭に記録用のヘッドギアをつけることでその人物の体験を記録し、再生用のヘッドギアで人の体験を再生するのだ。ディスクは高値で取引されるので、危険なことを体験し記録して売るものは後を絶たない。レニーはその夜疲れ果てて帰宅すると、何よりも先にスクィッドでディスクを体感する。それは過っての恋人フェイスとの楽しい時を自分で記録したディスクだ。ビキニ姿でローラースケートしながら彼と戯れるフェイスの姿。部屋で愛し合う二人…ディスクが終わると空しさと寂しさに襲われる。今は街の悪党の女になり、夜のクラブで人気のパンク歌手になっていた。レニーは彼女を諦めたわけではなく、なんとかして彼女を取り戻したいと、危険なクラブに訪れては彼女と会う機会を伺っていた。

Strange Days 2












たとえ会えても彼女は「わたしたちは、もう終わったのよ!」とレニーを遠ざける。その頃黒人の指導者とも言われるジェリコというラッパーが何物かに殺されたことがニュースで報じられ、黒人差別問題が悪化していた折りで、黒人社会に大きな波紋となる。レニーはもともと警官だったが、問題を起し首になっていた。彼が警官の頃に出会った黒人女性メイスはレニーにとって頼れる友で、唯一甘えられる人物だった。メイスはフェイスに去られ、違法なディスクのディーラーをしながら、まともな生活をしていないレニーに腹を立てながらも、彼が必要とする時はいつもそばにいてやる親友のような存在なのだ。彼女は亭主が投獄され残された子供を養うため危険なロスの街でハイヤーの運転手をしている。
 Strange Days 3a












ある夜、レニーの知り合いの娼婦アイリスが消息を絶つが彼女はそれ以前にレニーに助けを求めながらディスクを託していた。しかし、そのディスクがみつからない。そんな時レニーに送りつけられて来た一枚のディスク。メイスの車の後部座席で、彼女が嫌がるの知りながらこっそりディスクを再生するレニーが体感したのは、アイリスがレイプされながら殺されるのをやる側とやられる側の両方の体験を同時に記録した殺しのディスクだった。なぜアイリスは殺され、レニーにそのディスクが送られてきたのか?その時すでに、レニーは恐ろしい陰謀に巻き込まれていた。


2000年問題(Y2K)という言葉・・・懐かしくありませんか?1999年から2000年に切り替わることで、コンピュータが誤作動を起こす可能性が示唆され、2000年の年明けにはJRが念のために運休を見合わせたり、一部の銀行で誤作動が出たりしたものです。しかし、騒がれたほどの事件は起こらず、ほっとした年明けでもありました。この映画自体は1995年の映画なんですがね。この映画は結果、ロス暴動を再現しているような映画なんですが、こんな映画が公開されてからほんの10数年の後にアメリカでは黒人大統領が誕生するかもしれないという時代が来ているなんて・・・なんか、時代の流れを感じさせられます。

本作は登場人物が多くて、しかも絡み合っているためにちょっと話の筋が分かりにくいです。沢山のことが絡み合っている中で、2人の女フェイスとメイス、そして主人公のレニーの関係が結構面白くて、こんな筋の中でキラリと光る切ない女心がなんとも・・・わたしがこの映画が好きな理由かもしれません。実際、ごちゃごちゃしすぎて語れない部分が多ですが、ボディガードの役割も果たせそうな強くて頼もしい女メイスが、自分を捨てて去った女をいつまでも忘れられず、うじうじして、アルマーニの服にこだわるような軟弱なレニーの中の優しさを愛し、ひっそりと口には出さずに彼に思いを寄せている姿が、とっても切ないです。
Strange Days 4











若き日のレイフ・ファインズの優男ぶりがまたなんとも言えなく色気があって、わたしは大興奮の一本です。駄目男でも、女が守ってやりたいと思える男ナンバーワンという感じの役柄です。

それから、映画の中ではジュリエット・ルイスが生歌を披露しています。彼女はもともと自分でパンクバンドやってたと思いますよ。映画の中ではパティ・スミスのようなパンクでとても魅力的ですし、エンドクレジットではピーター・ガブリエルとディープ・フォレストの“While The Earth Sleeps”も聴けてサントラもいいです。この曲、何語で歌ってるのかわからんのだよな・・・。

とにもかくにも、かっこよくて、ハードで、それでいてキュンとするという、贅沢な映画です。

一人で寂しい年越しにでも見たい映画かな。DVDは今のうちに買っておかないと入手困難になりそうな気がします・・・。
 


liquidflame at 22:53 │TrackBack(0)clip!忘れられない映画 2 

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